Citation

Tsuruda T. J. Environ. Saf. 2015; 6(3): 151-156.

Vernacular Title

演示実験の事故防止

Copyright

(Copyright © 2015, Academic Consociation of Environmental Safety and Waste Management, Japan)

DOI

10.11162/daikankyo.15C0401

PMID

unavailable

Abstract

Most of workers in modern industries are graduates from universities. The reduction of frequency of industrial accidents will prevail as the number of educated workers increases in workplace. Among recent accidents, there are some accidents due to lack of basic knowledge of workers on the working environment. Loss prevention through education has been important target for Japanese government since Meiji era. Traditionally, police investigates industrial accidents for criminal process. In some areas, the social system related to the industrial accident reviewed its management system to lower the frequency of accidents. An accident case during an educational demonstration and its management system were reviewed. Safety must be the absolute priority and educators should demonstrate chemical safety concepts as well as the science topic.

Language: ja

Vernacular Abstract

技術の高度化に伴い、労働者の多くが高等教育を受けた者によって占められるようになっている。労働者が自身の利用する技術を理解し、故障や事故による災害の拡大を防止できる社会の実現が望まれている。ところが、発生事故を見ると基礎的知識が不足していたと思われるものがある。教育によって安全な社会を築くことは明治維新以来の日本国の目標である。日本では、伝統的に事故が起きると個人の責任追及に関心が集まる。現代社会では、個人は多くの人と制度や習慣を介して社会システムの要素として生きている。よって事故が起きたとき、社会システムとの関与が存在する。隔絶した地域で生活する場合と都市で生活する場合を比べると社会システムとの関与に軽重が存在する。同様に事故が起きたとき、個人の要素と社会システムの要素の関与に軽重が存在する。もし事故の背景に社会システムに要因の関与がある場合、その要因の関与を減少させ、事故再発防止を行うのが一般的である。最近発生した中等教育の実験中の事故について上記の視点から考えてみる。社会的に注目される研究成果を追い求めることよりも安全な社会の営みを支える基礎学力を修得させることの重要さを教員自ら認識し、生徒、学生を教育することが必要である。この機能を達成できるよう必要な公的枠組みを整備する必要がある。教育機関は、好奇心追求を安全に実現する知恵を身に着け、頭の中をおそれで充満させない教養を身に着けさせることが必要である。「灰燼に帰する」ことを防ぐ知恵を身に着けさせることが教育の目的である。